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小林よしのり
2018.4.29 03:31メディア

爆笑問題のワイドショーを見て


日曜朝の爆笑問題のワイドショーを最近は結構見ている。

この番組には異形の者ばかりが次々に登場するが、

非常識が通用して全体主義を破壊する瞬間がたまらない。

 

今現在は「セクハラ糾弾・原理主義」が全マスコミに

浸透して、異論は言えない状態になっている。

 

庶民レベルでは、わしの妻も、秘書も、道場の女性師範も、

わしの担当女性も、異論反論だらけなのだが、マスコミの

優等生批評は「断固、セクハラ糾弾!」「発言だけでも、

奴を吊るせ!」の大合唱で、不気味に全体主義を形成して

いる。

戦前の軍国主義も、マスコミが異論反論を許さぬ空気を

形成した。

 

そんなときに爆笑問題のワイドショーの中で、「私はキス

だけなら許す」とか、「他人に突然キスされるのは案外、

気持ちいい」とか、女性が発言して大爆笑になる光景が

あって、実に愉快だ。

この番組を見ると「非常識」の意義について深く考える。

 

常識は本来、「保守思想」の重要な核なのだが、マスコミが

作った常識は実はイデオロギーであることが多い。

マスコミが作る正論に対抗するには、庶民の異論反論が

必要だ。

それは非常識に見えて、実は常識なのである。

 

「庶民の現場」の感覚を無視して、マスコミの人工的な

「人権イデオロギー」に染まり、大衆化せぬように、

わしは悪人と見られても、エセ知識人に「王様は裸だ!」

と、言い続けなければならない。

 

ただし、わしは基本的に「セクハラ・パワハラ反対」であり、

「女性の地位向上」のための発言や作品は描き続ける。

ヒステリーは嫌い。原理主義は大嫌い。全体主義は恐怖。

「笑い」はこれらと戦うために重要である。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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